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第19回:[個人山行]編笠山

 3年の藤田です。たまりにたまった期末レポートから逃れるようにこのブログを書いています。

 1/19に編笠山へ個人山行に行ってきました。メンバーは勝沼、勝又、白石、藤田の4人です。都留はほとんど雪が降らないですし、積もってもすぐに溶けてしまう土地です。生活していくうえでは楽ですが、北国生まれの僕にとって冬とは屋根や道路が雪で真っ白に塗りつぶされる季節であって、都留の冬はなんだかつまらないものに感じます。そういうわけで個人的に今年こそは真っ白な雪山に挑戦したいと考え、装備を買いあつめたり冬登山の本を読んだりしていました。気合十分のデビュー戦でした。

 朝の5時に都留を発つ予定でしたがいつものことながら僕が遅刻したので30分ほど遅れての出発になりました。3人ともそこまで怒っていないように見えましたが、朝から無駄な体力を使うのを避けただけかもしれないので本心はわかりません。

 だんだん日が伸びてきたとは言っても、朝5時台はまだ真っ暗です。車で北へと向かう中、韮崎の手前辺りでようやく空が白み始めました。目が覚めた状態で1日の始まりに立ち会うと、いつもなんだか得をしたような気持ちになります。

 道中の路面はほんの少しだけ凍結したところもありましたが積雪は全くありませんでした。道中もそんな感じだった上に麓の駐車場も似たような様子だったので「今回の登山は本当に冬登山と言えるものになるのか?」という不安が頭をよぎりました。

 車から降りて装備を整え終えると大体8時ごろになっていたと思います。ここでも僕が一番準備に時間がかかりました。自分が同じ目にあわされたら絶対に頭にきますが、僕を置いて先に行ったりしない3人は本当に心が広いです。

 駐車場を出発して歩き始めるとちらほら雪が見えはじめ、登山道に入るころには地面が見えないほどの積雪で出発前の心配が杞憂であったことに気付きます。念願の雪景色、のはずでしたが雪に足を取られながら山を登るのは想像以上に辛く、あれほど待ち望んでいたはずの白銀の世界に目を向ける余裕は全くありませんでした。三歩進んでは立ち止まって振り返り後続に休憩の催促をする、その繰り返しで少しずつ進んでいきます。標高があがると吹き溜まりになっているのか膝辺りまで埋まるほど深く雪が積もった場所も出てきました。編笠山はその行程のほとんどが樹林帯で景色もそこまで変わりません。深雪の中を半ば這うように進むのは本当にあらゆる意味で辛く、動かない足を無理やり動かしながら冬登山に来たがった過去の自分を呪いました。しかしどんなに少しずつだとしても歩き続けていれば前には進んでいるものです。樹林帯も終わりに差し掛かると木々も少なくなりだんだんと空の青がちらついてきました。ラストスパートだと自分を奮い立たせ、肩で息をしながら森林限界を超えた先に待っていた景色は本当に格別でした。遮るものがなく天候にも恵まれたので日本アルプスすべてを目の当たりにすることができました。吹き抜けていく風とその先に広がる山々を近い高さに感じることができるのは、ここまでの無限にも思えた樹林帯を乗り越えたからこそです。



本当に道中の苦労が全て吹き飛んでしまうような風景を編笠山は僕にプレゼントしてくれました。山頂の方が、標高が高くひらけていたので景色も良かったですが、僕は樹林帯を抜けた瞬間が強く印象に残っています。

 下りは登りに比べるとはるかにスムーズで、あんなに苦労して登ったのが噓のようでした。ふかふかの雪がある分砂利や砂に比べて滑らないので安心して下ることができます。下りでは雪景色に目をやる余裕もあり、当初の目的を十分に達成することができました。下りの最後の最後には雪の中で暮らす鹿の親子も目にしました。もっともっと経験を積んで、あの小鹿が大人になるころには八ヶ岳を縦走してやろうと思います。



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