今回は6月26日に実施した瑞牆(みずがき)山での新人合宿についてです。
この公式ブログは部員が持ち回りで担当しており、それぞれの記事は毎回別人が書いています。今回の担当者は難しいことを書くのが苦手なので(笑)、山行の様子を色々と書き出してみました。
瑞牆山は山梨県北杜市の北東部に位置し、標高2230mで奥秩父山塊の主脈の一つです。花崗岩で形成された岩峰が特徴的で、日本百名山の一つにも数えられており登山者の間では人気を誇る山です。
さて、今回の山行は瑞牆山での新人「合宿」ですが、残念ながら日帰りでの実施となってしまいました。新型コロナウイルス感染症の流行による影響で合宿実施の可否は直前までわからない状態が続いており、全3日程の新人合宿は初回の今回のみ合宿の許可が下りず日帰り山行となりました。
しかし、日帰りであっても山行は山行です。登山において朝が早いのは基本。瑞牆山は同じ県内でも大学のある都留から離れた位置にあり、移動に時間がかかります。そのため今回の当日の起床時刻は早朝午前4時、集合は4時40分。なかなか辛い時間設定ですね。
というわけで集合場所に向かう途中に撮った一枚。4時半頃の大学前の通りの様子で、空は明るくなってきていますがまだまだ町は眠っている時間です。眠い目をこすりながら、集合場所である都留文科大学前駅に向かいます。
4時40分に都留文科大学前駅に集合したら、事前に予約した貸し切りバスに乗り込みます。まだ富士急行線が動いていない時間である上、瑞牆山は公共交通機関でのアクセスが良くないので今回は貸切バスを選択しました。
バス会社は当部では毎度お世話になっている都留市内の宝観光バスさんです。早朝からの運行を快く引き受けてくださり非常に助かっております…。
バスに乗車したら2時間の移動になります。早朝の集合だったので車内ではみな爆睡ですね。
5時半頃、甲府市付近を走行中の車内から撮った外の様子です。今回の山行日は事前の天気予報では曇りのち雨となっていましたが、早朝の時点では晴れ間が広がっていました。何とか天気が崩れずにいてくれることを祈りつつ、バスは瑞牆山に向けて進んでいきます。
6時20分頃にバスは目的地である黒森上に到着、少し準備をして6時30分より登山開始です。登山口の手前でバスを降りたので、登山道の入口に向けて林道を歩いていきます。
空を見上げると少し雲が増えてきましたが、雨の気配はありません。この時点で既に標高は1200mほどあり、気温もザックを背負って歩くには丁度よく気持ちの良い林道歩きです。
ほどなくして登山道に入り、本格的な山歩きの始まりです。瑞牆山は瑞牆山荘から登るルートが一般的ですが、今回はみずがき山グリーンロッジ方面から登る比較的マイナーなルートを選択したので、始めの区間は人も少なく快適。登山道も特に荒れた区間はありませんでした。
瑞牆山を登るうえで起点となる富士見平小屋に向けて歩いていきます。本来の計画ではこの富士見平小屋に泊まり、翌日同じ奥秩父山塊で百名山の金峰山にアタックする予定でした。
歩き始めから約2時間、8時42分に富士見平小屋に到着。富士見平小屋は小屋泊・テント泊ができる上に自家製ソーセージなど食事メニューが充実しています。宿泊ならゆっくりする時間もありましたが、今回は日帰りなのでベンチをお借りして簡単に休憩した後すぐに出発です。当然休憩中は小屋のメニューではなく各自持参した水と行動食で済ませます。
富士見平小屋を過ぎると登山道の状態はコロッと変化し、今までの歩きやすいコースから一転石や岩の堆積が目立つようになり勾配も段々と急になっていきます。気づけば天気も完全に曇りに…。
そしていよいよ鎖場が登場。間隔を空け一人ずつ登っていくのですが、既に下山者も出始め譲り合いながらの通行となりなかなか時間を消費します。雨は降っておらず岩面が乾いていたのが幸いでした。
やっとのことで鎖場エリアを通過しても楽になるどころか勾配は急になり、大きな岩が露出した登山道を大きく足を上げてひたすら登っていきます。ここまで元気そうだった1年生もしっかり瑞牆山の洗礼を受けていました。
山頂が近づくにつれて段々と急になっていく登山道。ルートもわかりづらくなってくるので、焦らず一歩一歩着実に登っていきます。
しかし標高を上げ山頂が近づいてきたところで完全にガスの中に…。これはこれで幻想的ですが、何とか山頂からの眺望に期待しつつ引き続き登っていきます。
もうすぐ山頂到着…というところで再びの鎖場登場。瑞牆山は山頂にたどり着くまでなかなか気を緩めることはできません。
そして歩き始めてから4時間26分、10時56分にいよいよ山頂に到着!無事登頂成功!ということなのですが…
うーん、残念。山頂付近は完全に濃霧に包まれていて視界は全く開けていませんでした。
辛うじて山頂直下の岩峰が見える程度で、それさえも風の流れ次第で見え隠れしている状態でした。
と、眺望には恵まれない山行でしたが山頂まで岩場や鎖場を乗り越え登ってきたので達成感は十分。
次の2枚が山頂での2隊それぞれの集合写真です。
うん、後ろは真っ白ですが皆さん良い顔をしていますね。
何も景色を見に行くことだけが登山の目的ではありません。山登りを通じて普段の生活では体験できない、感じることのできない何かを求めて我々は山に登っているのです。この写真を見るにその目的は無事達成されたと言うことができるのではないでしょうか。
ちなみにこんな事を書いている本人が写真では唯一酷い顔をしています。どことは書きませんが一枚目の右後ろでとても不機嫌そうな顔をしているのが自分です。情けないですねぇ。これでも最上級生です。そんなに景色が見えないことが許せなかったのでしょうか。周りの笑顔がまぶしい。
山頂には登山者である飼い主に連れられて登ってきた犬もいました。かわいいですね。
なお、ここまで長くなってしまったので下りは省略しますが、山頂で25分ほど休憩し11時20分出発、あとは元来た道を折り返し出発から9時間近く経った15時21分に出発地点の黒森上に到着、そこから再びバスに乗って都留へと帰りました。
と、このように景色には恵まれませんでしたが、瑞牆山の魅力を存分に味わい、そして様々な経験値を積むことができた新人合宿でした。また、元々の雨予報が外れ、梅雨の時期にもかかわらず一度も雨に降られなかったのも幸運でした。
自分は3年なので今年度で引退ですが、下級生は瑞牆山に来年以降も部として登ることができる機会があります。その時はきちんと合宿として、金峰山と共にリベンジすることができると良いですね。
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